競馬ファンなら誰でも一度は考えるのが「歴代最強馬」。
時代背景、レース条件、個人的な思い入れなど、様々な要素で皆さんの「俺ランキング」を持っていることでしょう。
当ブログには、「日本歴代最強馬ランキング」という記事がありますが、日本のレース体系は日本ダービーを中心にしている以上、2000m~3200mの中長距離に重きが置かれています(最近は長距離は不人気ですが)
したがって、最強馬ランキングにはスプリンター、マイラーなどいわゆる「短距離馬」が食い込む余地がなく、なかなか光が当たりません。
スプリンター、マイラーも、同じ競走馬に変わりなく、短距離ならではの素晴らしいレースもたくさんあります。
そこで、今回はスプリンターの中で最強ランキングを選んでみました。
その他のランキングはこちらからご覧ください。
前提:「スプリンター」に該当する馬
一口にスプリンターといっても、短ければ短いほどいい馬や、マイルまでこなせる馬など様々です。
また、本来スプリンターではないけれど、気性難で短いレースを使っている場合も多々あると思われます。
しかし、ランキングを考えるにあたって一応の基準を設ける必要があるので、便宜上、下記の条件を満たす馬の中から最強スプリンター候補を選定します。
- 1000m~1400mのGIレース勝利があること(海外のレースも可)
- 2000m以上のレースの勝利がないこと(主観ですが、2000mを勝っていたらさすがにスプリンターではない気がする)
管理人が重視しているポイント
1.適正距離での勝率、連対率
スプリントのレースは、消耗が大きく、またゲートや道中の位置取ミスを取り返す暇がないなど、安定して好成績を残し続けるのが非常に難しいものです。
しかし、最強スプリンターとうからには、スプリント路線では圧倒的な実績を残してほしいです。
2.大きな怪我をしていない
怪我なく走り切るタフさは、最強馬の大事な条件。
高い能力を持っていても怪我でパフォーマンスを落とした馬、早期引退した馬については、やや評価を落としています。
考慮しないポイント
1.適正距離外での惨敗
デビューからすぐに短距離路線専門で出走する馬は少なく、3歳の春まではクラシック路線を歩む方がのがむしろ普通です。また、昔は短距離のレース体系が整っておらず、やむなく適正距離外のレースに出走しなければならないことが多くありました。
よって、最強スプリンターの選定にあたっては、適正外の距離での惨敗はあまり考慮しないものとします。
2.賞金
GIレースは増えており、賞金も上がっていることから、現代に近いの馬ほど賞金が高くなる傾向です。
馬の強さと賞金額は比例しないため、評価基準としていません。
3.GI勝利数
GIレースは増えており、現代の馬の方がGI勝利数を稼ぎやすいです。近年は海外挑戦も盛んなことから、レベルの高い馬が集まらない国内GIレースが増えています。
これにより、一昔前であれば、到底GIホースレベルとは思えない馬がGIを勝つこともしばしば。
よって、GI勝利数はあまり重視せず、格の高いGIレースを勝っているか、レースのメンバー等も確認し、ランキングに反映します。
4.産駒の成績
あくまでも自身の競走馬としての強さを基準とし、種牡馬、繁殖牝馬としての成績は考慮しません。
5.ベストパフォーマンスの出来栄え
管理人は、デビューから引退まで、常に高レベルのパフォーマンスを見せてくれた馬をより高く評価しています。
最強馬は常に安定して強くあってほしいものです。
歴代最強スプリンターランキング
順位 | 馬名 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 1000m 勝率 | 1200m 勝率 | 1400m 勝率 | GI | 勝利GIレース |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ロードカナロア | 19戦13勝 | 68% | 95% | 100% | 0% 0戦0勝 | 74% 15戦11勝 | 50% 2戦1勝 | 6勝 | 高松宮記念、スプリンターズS×2 安田記念、香港スプリント×2 |
2 | サクラバクシンオー | 21戦11勝 | 52% | 62% | 67% | 0% 0戦0勝 | 88% 8戦7勝 | 100% 4戦4勝 | 2勝 | スプリンターズS×2 |
3 | タイキシャトル | 13戦11勝 | 85% | 92% | 100% | 0% 0戦0勝 | 67% 3戦2勝 | 67% 3戦2勝 | 5勝 | マイルCS×2、スプリンターズS 安田記念、ジャックルマロワ賞 |
4 | アグネスワールド | 20戦8勝 | 40% | 70% | 75% | 50% 2戦1勝 | 43% 14戦6勝 | 0% 0戦0勝 | 2勝 | アベイドロンシャン賞、ジュライカップ |
5 | デュランダル | 18戦8勝 | 44% | 67% | 72% | 0% 0戦0勝 | 44% 9戦4勝 | 0% 0戦0勝 | 3勝 | スプリンターズS、マイルCS×2 |
6 | スリープレスナイト | 18戦9勝 | 50% | 83% | 89% | 0% 0戦0勝 | 75% 12戦9勝 | 0% 5戦0勝 | 1勝 | スプリンターズS |
7 | カレンチャン | 18戦9勝 | 50% | 67% | 72% | 0% 0戦0勝 | 50% 16戦8勝 | 50% 2戦1勝 | 2勝 | スプリンターズS、高松宮記念 |
8 | ビリーヴ | 28戦10勝 | 36% | 46% | 64% | 0% 1戦0勝 | 53% 19戦10勝 | 0% 2戦0勝 | 2勝 | 高松宮記念、スプリンターズS |
9 | フラワーパーク | 18戦7勝 | 39% | 50% | 56% | 0% 0戦0勝 | 40% 10戦4勝 | 67% 3戦2勝 | 2勝 | 高松宮杯、スプリンターズS |
10 | レッドファルクス | 29戦10勝 | 34% | 41% | 55% | 0% 0戦0勝 | 56% 9戦5勝 | 31% 16戦5勝 | 2勝 | スプリンターズS×2 |
※現役でトップ10に食い込む可能性のある馬:グランアレグリア、ダノンスマッシュ、モズスーパーフレア
1位:ロードカナロア
1位はロードカナロアです。
ズバ抜けたスピードで短距離G16連勝の記録を持ち、レベルの高い香港スプリントをなんと2連覇しました。
連対を外したのはたった一度(3着)、驚異の連対率95%を誇ります。
世界でもトップクラスに入る彼以上のスプリンターは、日本では今後もう出ないかもしれません。
5馬身差の圧勝劇で終わった、ラストランの香港スプリントをベストレース推します。
2位サクラバクシンオー
2位は平成の最強スプリンター、サクラバクシンオーです。
1400m以下の距離では12戦11勝とほぼ完璧な成績を収め、スプリンターズステークスを2連覇しました。
一方、1400mより長い距離では1勝もできなかった典型的なスプリンターといえるでしょう。
特筆すべきは、なんといっても引退レースとなった1994年のスプリンターズステークス。
超ハイペースのレースを好位から追走し、2着に4馬身をつけて日本レコードでの圧倒的な勝利をおさめました。
当時のスプリンターズステークスは有馬記念の前週にあり、冬枯れ芝の荒れ馬場でしたが、その過酷な馬場で1:07.1という驚異のタイムを叩き出しました。
1400mの日本レコードも樹立しており、当時の力のいる馬場の状況から考えると、彼のスピード能力は国内では傑出しており、世界でも屈指のレベルにあったと考えて差し支えないでしょう。

3位:タイキシャトル
タイキシャトルが3位です。マイル戦7戦7勝で、歴代最強マイラーとの呼び声も高いですが、スプリント戦でも当然のごとく高い能力を発揮しました。
名マイラーと、名スプリンターは両立しうると考えて、スプリンター部門でも選出です。
日仏でGIを5勝し、外国産馬として初めての年度代表馬ともなりました。芝ダートともにこなし、道悪も得意。テイエムオペラオーと並んで、重賞8連勝の最多記録を持つ安定性が光りました。
短距離路線を走った馬で初めて顕彰馬にもなっており、高く評価されています。
すでに引退を予定していたのに、JRAからの強い要望で急遽走ったラストランでは、明らかに仕上げが間に合っておらず、まさかの3着。生涯連対率100%を逃してしまったのが可哀想でした。
きっちり仕上げていれば、まず負けることはなかっただろうと思うほど彼の能力はズバ抜けていました。

4位:アグネスワールド
アグネスワールドが4位にランクイン。
スプリンターズステークスは2年連続2着と惜しい成績でしたが、日本調教馬として初めて海外2カ国のGIレースを制した実績を大いに評価しました。
2歳時から高い素質を見せており、桁違いのスピード能力は本物でしたが、怪我の多さ、気性の悪さ、コーナーワークなど弱点が多く、もろいイメージもありました。
森秀行調教師曰く、1200mでも長く、1000mがベストとのこと。まさにスプリンターの中のスプリンターです。

5位:デュランダル
5位はデュランダルです。
彼もまた名マイラーにして名スプリンター、1200mのGIは1勝ですが、2着が3回あり、確実に勝負に絡んでくる安定性もありました。
デュランダルが特異的なのは、短距離の強豪には珍しい追い込み脚質です。
スタートが苦手だったために確立した戦法でしたが、短距離では距離が足りず普通はなかなか差しきれません。
しかし彼は大外を豪快にぶん回し、最後尾からぶち抜いていく抜群の瞬発力を誇りました。
派手な勝ち方は多くのファンを魅了し、約3年に渡って短距離戦線の主役を張り、2年連続でJRA賞最優秀短距離馬に表彰された名馬です。
最後方からの追い込みで制したスプリンターズステークスをぜひご覧ください。

6位:スリープレスナイト
6位はスリープレスナイトです。
スプリンターズステークスを制して、1200mでは1着9回、2着3回の連対率100%と抜群の成績を残しました。
クロフネ産駒らしくダートも苦にしない万能型で実力は確かでしたが、怪我が多くなかなか順調にレースに使えないのが残念でしたね。
繁殖牝馬になってからも怪我に泣き、8歳の若さで早逝しました。

7位:カレンチャン
7位はカレンチャンです。
春秋スプリント制覇を達成し、海外遠征以外では大きく成績を崩すことなく、安定した走りを見せました。
ベストレースはなんといってもロードカナロアを下した高松宮記念でしょう。

8位:ビリーヴ
8位はビリーヴです。
彼女もまた、牝馬にして春秋スプリントを制覇し、1200m戦では18戦10勝2着3回を安定した走りを見せました。
現役当時、牝馬が牡牝混合GIを制するのは困難であり、ビリーヴが勝利した2002年のスプリンターズステークスは、歴史的名牝馬のエアグルーヴが勝利した1997年の天皇賞(秋)以来、実に5年ぶりの快挙でした。
ショウナンカンプ、アドマイヤコジーンとの激戦を制したレースをぜひご覧ください。

9位:フラワーパーク
GIに昇格してすぐの高松宮杯と、スプリンターズステークスを制して史上初の春秋スプリント制覇馬となったフラワーパークが9位です。
昭和の名マイラー、ニホンピロウイナーを父に持ち、京都1200mのレコードを記録するなど高いスピード能力を誇りました。
なんとナリタブライアンが出走し、話題をなった高松宮杯をぜひご覧ください。

10位:レッドファルクス
10位はレッドファルクスです。
5歳で初めて重賞を制した遅咲きの馬でしたが、若駒の時から末脚の爆発力には魅力がありました。
他にはサクラバクシンオー、ロードカナロアしか達成していない、スプリンターズステークスの2連覇を果たしました。

以上が管理人が選ぶ最強スプリンターランキングトップ10です。
正直、5位~10位はかなり好みの問題で、人によって全然違うランキングになるものと思われます。
ちなみに、トップ10以外の候補馬は以下の通りでした。
馬名 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 1000m勝率 | 1200m 勝率 | 1400m 勝率 | GI | 勝利GIレース |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アストンマーチャン | 11戦5勝 | 45% | 64% | 64% | 0% 0戦0勝 | 50% 6戦3勝 | 67% 3戦2勝 | 1勝 | スプリンターズS |
アドマイヤマックス | 23戦4勝 | 17% | 26% | 48% | 0% 0戦0勝 | 17% 6戦1勝 | 0% 2戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
オレハマッテルゼ | 38戦9勝 | 24% | 45% | 58% | 0% 0戦0勝 | 20% 5戦1勝 | 25% 8戦2勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
カルストンライトオ | 35戦9勝 | 26% | 37% | 57% | 40% 5戦2勝 | 28% 25戦7勝 | 0% 4戦0勝 | 1勝 | スプリンターズS |
キングヘイロー | 27戦6勝 | 22% | 37% | 48% | 0% 0戦0勝 | 33% 3戦1勝 | 0% 2戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
キンシャサノキセキ | 31戦12勝 | 39% | 52% | 61% | 0% 0戦0勝 | 33% 15戦5勝 | 63% 8戦5勝 | 2勝 | 高松宮記念×2 |
コパノリチャード | 22戦6勝 | 27% | 36% | 36% | 0% 0戦0勝 | 14% 7戦1勝 | 38% 8戦3勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
サニングデール | 27戦7勝 | 26% | 41% | 52% | 0% 1戦0勝 | 35% 20戦7勝 | 0% 6戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ショウナンカンプ | 19戦8勝 | 42% | 47% | 63% | 40% 5戦2勝 | 45% 11戦5勝 | 100% 1戦1勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
シンコウキング | 27戦8勝 | 30% | 48% | 67% | 0% 1戦0勝 | 43% 7戦3勝 | 17%6戦1勝 | 1勝 | 高松宮杯 |
シンコウフォレスト | 29戦9勝 | 31% | 34% | 48% | 0% 0戦0勝 | 41% 22戦9勝 | 0%3戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
スズカフェニックス | 29戦8勝 | 28% | 38% | 66% | 0% 0戦0勝 | 33% 6戦2勝 | 14%7戦1勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ストレイトガール | 31戦11勝 | 35% | 48% | 58% | 0% 0戦0勝 | 41% 22戦9勝 | 0%2戦0勝 | 3勝 | スプリンターズS、ヴィクトリアマイル×2 |
スノードラゴン | 61戦8勝 | 13% | 34% | 46% | 0% 0戦0勝 | 14% 42戦6勝 | 14%14戦2勝 | 1勝 | スプリンターズS |
セイウンコウセイ | 38戦7勝 | 18% | 37% | 39% | 0% 0戦0勝 | 20% 25戦5勝 | 18%11戦2勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ダイイチルビー | 18戦6勝 | 33% | 67% | 72% | 0% 0戦0勝 | 100% 1戦1勝 | 33% 3戦1勝 | 2勝 | 安田記念、スプリンターズS |
ダイタクヤマト | 39戦10勝 | 26% | 41% | 54% | 0% 1戦0勝 | 28% 25戦7勝 | 33% 9戦3勝 | 1勝 | スプリンターズS |
タワーオブロンドン | 18戦7勝 | 39% | 56% | 72% | 0% 0戦0勝 | 29% 7戦2勝 | 75% 4戦3勝 | 1勝 | スプリンターズS |
トロットスター | 34戦8勝 | 24% | 44% | 44% | 0% 0戦0勝 | 30% 20戦6勝 | 40% 5戦2勝 | 2勝 | 高松宮記念、スプリンターズS |
ニシノフラワー | 16戦7勝 | 44% | 50% | 69% | 100% 1戦1勝 | 67% 3戦2勝 | 50% 2戦1勝 | 3勝 | 阪神3歳牝馬S、桜花賞、スプリンターズS |
バンブーメモリー | 39戦8勝 | 21% | 38% | 51% | 0% 0戦0勝 | 33% 9戦3勝 | 20% 10戦2勝 | 2勝 | スプリンターズS、安田記念 |
ヒシアケボノ | 30戦6勝 | 20% | 23% | 43% | 0% 0戦0勝 | 31% 16戦5勝 | 25% 4戦1勝 | 1勝 | スプリンターズS |
ビッグアーサー | 15戦8勝 | 53% | 67% | 73% | 0% 0戦0勝 | 57% 14戦8勝 | 0% 1戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ファイングレイン | 30戦5勝 | 17% | 23% | 23% | 0% 0戦0勝 | 36% 11戦4勝 | 0% 6戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ファインニードル | 28戦10勝 | 36% | 43% | 50% | 0% 0戦0勝 | 47% 19戦9勝 | 13% 8戦1勝 | 2勝 | 高松宮記念、スプリンターズS |
ブラックホーク | 28戦9勝 | 32% | 61% | 82% | 0% 0戦0勝 | 25% 8戦2勝 | 20% 5戦1勝 | 2勝 | スプリンターズS、安田記念 |
マイネルラヴ | 23戦5勝 | 22% | 39% | 43% | 0% 0戦0勝 | 25% 12戦3勝 | 17% 6戦1勝 | 1勝 | スプリンターズS |
マサラッキ | 30戦9勝 | 30% | 40% | 50% | 0% 0戦0勝 | 35% 23戦8勝 | 0% 3戦0勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ミスターメロディ | 17戦4勝 | 24% | 41% | 47% | 0% 0戦0勝 | 14% 7戦1勝 | 29% 7戦2勝 | 1勝 | 高松宮記念 |
ローレルゲレイロ | 28戦5勝 | 18% | 43% | 50% | 100% 1戦1勝 | 17% 12戦2勝 | 25% 4戦1勝 | 2勝 | 高松宮記念、スプリンターズS |